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キンリョウヘン(金稜辺)のよくある質問
キンリョウヘンは、ニホンミツバチの分蜂群れの捕獲に大変便利です。キンリョウヘンの花は、集合フェロモンによってニホンミツバチを引き寄せて、受粉をさせるという非常に興味深い生態を持つ植物です。この植物が、ニホンミツバチの養蜂家に役に立っているのは、とても面白いですね。
ただ、キンリョウヘンを栽培して、ニホンミツバチの誘引に利用するのは、そう簡単なことではなく、たくさんの質問が寄せられています。ここでは、キンリョウヘンの良くある質問をご紹介します。

キンリョウヘンなしでは日本蜜蜂は捕獲できない??
ニホンミツバチの捕獲について、本やインターネットで調べると、ほぼ全てにキンリョウヘンの利用について記載されていると思います。
それほどキンリョウヘンは広く使われています。キンリョウヘンがないと捕獲できないのでしょうか?
そうではありません。キンリョウヘンがあれば捕獲できる確率が高くなるというもので、なくても捕獲できます。
ただ、これほどまでに使われているということは、それだけ効果が大きいということでしょう。
キンリョウヘンが日本蜜蜂を誘引しない??
キンリョウヘンがせっかく咲いて、分蜂時期に設置したのに、全くニホンミツバチが集まって来ない。これはよくあることです。分蜂時期でも、周囲に分蜂しそうな群れがいなければ、キンリョウヘンが匂いを発していても、ニホンミツバチは集まってきません。
不思議なのは、花を集めに来ているニホンミツバチに近づけたり、ニホンミツバチの巣箱の横にキンリョウヘンをおいても、まったく反応しないことです。また、ひょっとすると、キンリョウヘンが偽物で、誘引力がないのかもしれません。キンリョウヘンにはよく見ないと違いがわからない近種がたくさんあります。
日本ミツバチがたくさんいる所を確認して、その近くの日陰で大きな木の下にキンリョウヘン1鉢と捕獲箱をセットしました。 今日は5月3日、2か所のキンリョウヘンに全く日本ミツバチが来ていません。「キンリョウヘンに日本ミツバチの分蜂が全く来ていません。」より
また、近年はアカリンダニや農薬の影響でニホンミツバチが減少し、キンリョウヘンを置いていても探索蜂が来ない地域もあります。
キンリョウヘンが一斉に開花しましたが、二ホンミツバチは来ません。数年前までは、家の中に入れて置いても、どこからか入ってきて大変なことになることもありました。「二ホンミツバチが来ないキンリョウヘン」 より
キンリョウヘンは本物?偽物が多い?
キンリョウヘンが本物かどうかを見た目だけで判断するのは、花が咲いていてもはっきりしないこともあります。
人間では花の香りで見分けることも困難です。もっとも確実なのは、一度ニホンミツバチを誘引した実績があるキンリョウヘンや、そこから株分けしたものを利用することです。
Wikipediaによると、キンリョウヘンは明治時代に栽培が流行ったようで、ニホンミツバチを飼育していない家庭でも、庭先などに植えられていることがあります。
こういったものの中にはもちろん本物もありますが、似た別の品種であることもあります。「知り合いがキンリョウヘンじゃないかと言ってくれた」というような場合には、偽物の場合もあるので注意しましょう。
キンリョウヘンの購入時にも注意が必要です。きちんとした園芸店から購入する場合は良いのですが、ヤフオクなどでの個人間の取引では、出品者が悪意がなくても間違えている可能性があります。
キンリョウヘンの誘引力の厳密な判定方法
キンリョウヘンに誘引力があるかを見分けるには、ニホンミツバチの研究で著名な菅原先生の書籍「ミツバチ学」の96ページに紹介されている方法を使うことができます。
大きな板の上に、キンリョウヘンと、そうでないものを置いておきます。そこに、巣箱からニホンミツバチを連れて来て、落とします。
落とされたミツバチは、いきなりはぐれて、パニックになります。このような状態では、集合フェロモンに引き寄せられて一箇所に集まる習性があります。もし本物であれば、続々とニホンミツバチが集まっていきます。
友人からいただいた、キンリョウヘンらしい鉢が開花しました。 本物かテストすると、見事に本物でした。 テストの方法は、下記youtubeの動画で見てください。「キンリョウヘンの見分け方」 より
巣枠式巣箱であれば、巣枠を取り出して、少しミツバチをふるい落とすのがよいそうです。重箱式巣箱であれば、天井が外せる構造であれば、そこでウロウロしている働き蜂が天井板にくっついてくるので、同様に板の上でふるい落としてください。
あれ、今春にキンリョウヘンは開花するの?
キンリョウヘンは必ず花を咲かせるかというと、そうではありません。株が小さかったり、栄養状態などによって、開花しないこともあります。キンリョウヘンを育てていても、一回も花を見たことがないという方も中にはいます。
分蜂直前の3月頃になると、キンリョウヘンに花が咲く気配がないという相談がよく寄せられます。実は、キンリョウヘンは10月頃に小さな花芽が出てきています。この時期は小さく目立ちませんが、遅くても2月には見つけれるはずです。
キンリョウヘンの花は、咲くちょっと前から花芽が出てくると思っている方も多いようですが、注意が必要です。キンリョウヘンが咲かない場合は、代わりに「待ち箱ルアー」を用意するなど、事前に手を打っておきましょう。
キンリョウヘンが咲く前に分蜂シーズンが到来してしまいました
キンリョウヘンの栽培で難しいのは、開花の時期を分蜂群れと合わせることです。何も考えずに栽培した場合、気候によりますが多くの場合は、分蜂が始まってからしばらくしてキンリョウヘンの花が咲きます。もちろん、その時期にも分蜂はありますが、理想を言えば分蜂開始直後に合わせたいところです。
とは言っても、桜の開花時期が1、2週間ずれることがあるように、分蜂の時期もずれますし、ドンピシャは少し難しいでしょう。毎年、ニホンミツバチの分蜂が始まったのに、まだキンリョウヘンが咲かないという声が聞こえて来ます。もちろん逆もあります。
このところの低気温でキンリョウヘンはまだ咲いていません。置場所をどこにしようかと待ち箱の所に行くと何やら羽音が・・・探索蜂みたいです。出入りを繰り返してるところを写メしました!キンリョウヘンはまだなのに・・・探索蜂が来てます(●^o^●) より
キンリョウヘンの開花調整方法は?
キンリョウヘンは寒さに強いですが、京都府では屋外で栽培すると分蜂の開始よりも少し遅れた時期に開花してしまいます。また、凍ってしまったり、霜に当たってしまうと凍傷になって枯れてしまいます。
キンリョウヘンを冬の間に屋外よりも気温が高い屋内で栽培することで、開花を早めます。このようにして開花調整をします。キンリョウヘンが咲く時期と、分蜂が起こる時期は地域によっても違うので、気候が近い地域の育て方を参考にしてください。
ミツバチQ&Aでは、日本各地の多くの養蜂家が利用しています。暖かい地域、寒い地域、きっとあなたにあったアドバイスをいただけます。
キンリョウヘンは株分けで増やす
キンリョウヘンが大きくなれば、株分けして増やすことができます。1株が2株になるので、これを何年か繰り返すとかなりの数になります。株分けして数がどんどん増えれば、それだけニホンミツバチも捕獲しやすくなります。株分けは分蜂群れが終わった春のうちに行うのが良いです。
株分けに関する質問
・キンリョウヘンの株分け時期は?4月に行えば良いのでしょうか? ・キンリョウヘンの植え替えはした方が良いのでしょうか?キンリョウヘンの価格はどのくらい?
キンリョウヘンは大きさや花が咲いているかによって大きく値段が変わります。小さな株であれば、1500円程度で売られていることもあるので、植物の栽培が得意な方は自分で育てて増やしていくのも良いでしょう。
花が咲いているキンリョウヘンを、分蜂シーズンに購入する場合、1万円以上になることも珍しくありません。春にキンリョウヘンを慌てて購入するのはあまりオススメできません。効果も長く、使いやすい、待ち箱ルアーを複数個購入する方が合理的です。
キンリョウヘンは通販で買うのが良い?
「キンリョウヘンを近くの園芸店に探しに行ったがなかった」という声はよく聞きます。キンリョウヘンは、ニホンミツバチの飼育者以外で育てる人はほとんどいないので、園芸店で販売されているのは稀です。キンリョウヘンは、インターネット通販で購入するのが良いです。
楽天やヤフーショッピング、アマゾンなどでも販売している業者があります。キンリョウヘンは株が十分な大きさでないと開花しません。開花時期以外に購入する場合は、開花の見込みがある株か動画を確認するようにしてください。
多くの人が関心を持つキンリョウヘン。困ったら質問してみよう
ニホンミツバチの養蜂家の多くの人がキンリョウヘンに高い関心を持っています。キンリョウヘンをどのように予防すれば良いか、キンリョウヘンが発生すればどうしたらいいかなど、キンリョウヘンについての疑問があれば遠慮なく質問してみましょう。
これまでに投稿されたキンリョウヘンに関する質問を探す方法は2つあります。まず、「キンリョウヘン」というタグがついた質問を一覧で表示できます。
また、サイト内でフリーワードで検索することができます。
なお、最近ではキンリョウヘンの誘引成分を化学的に合成した待ち箱ルアーもよく使われています。
ミツバチQ&Aでの情報交換によって、キンリョウヘンの栽培、利用で困っている方が救われれば幸いです。このページは、ミツバチQ&Aに投稿された、キンリョウヘンに関する投稿をまとめています。個人の意見、経験、試行錯誤、実験中の内容も含まれており、その内容の正確性を保証するものではないことをご理解ください。また、利用者の投稿は、利用者の投稿時点での見解となります。現在とは変化している可能性があります。
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